サーフィン世界大会観戦記

 



   ワーキングホリデー日記編

Welcome!

 


RIPCURLPRO / BELLSBEACH 2007


07年4月5日-4月12日


サーフィン世界一は誰なのか?

を決めるために、ASP(Association of Surfing Professionals) という団体が、毎年、サーフィンの世界ツアーを主催しています。

ツアーに出場できる選手は、全世界から選別された44人。

ツアー開催地は、オーストラリア、タヒチ、南アフリカ、ハワイ、日本、フランス、スペイン、ブラジル、ハワイなど 世界の有名サーフポイント10箇所。(残念ながら、今年度の日本での開催は今のところ予定されていません)

各大会はトーナメント戦で争われ、その結果に応じて、各サーファーに点数(Points)が与えられます。 (例 優勝:1200Points、準優勝:1032Points、3位:876Points、5位:732Points 〜 33位:225Points) そして、その点数を合計した総合点(TotalPoints)で、 各サーファーの順位(Rating)が1位から44位まで決定され、最終的にその年の世界一が決定されるという仕組みです。 (女子も同様のシステムで、17人で争われます)

2007年度のツアー第1戦は、オーストラリアのゴールドコースト(GoldCoast)でした。 第2戦は、同じくオーストラリアのベルズビーチ。 今回、僕が観戦したのは、その、リップカールプロ/ベルズビーチ2007(RIPCURL PRO / BELLS BEACH 2007)という大会です。

ベルズビーチは、オーストラリアビクトリア州の州都メルボルンの南西100キロ位に位置する のどかなサーフタウン、トーキー(Torquay)のビーチです。 トーキーを更に西に進むと、グレートオーシャンロードがスタートします。今回、僕は、メルボルンから南下した後、先にグレートオーシャンロード観光を済ませ、その帰りに、 約1週間の大会を観戦しました。


ベ ル ズ ビ ー チ へ 続 く 道


ベ ル ズ ビ ー チ


コ ン テ ス ト 会 場 エ ン ト ラ ン ス


コ ン テ ス ト 会 場 そ の 1


コ ン テ ス ト 会 場 そ の 2


コ ン テ ス ト 会 場 そ の 3


リ ラ ッ ク ス し て 観 戦 す る 観 客


き れ い な 海

4月5日サーフミュージアムで盛り上がる

大会はオフ。

サーフィンの大会は、波の無い日は、お休みとなります。順延(オフ)というやつです。 そこで、とりあえず、JanJucというポイントで、朝サーフィン。 昼は、トーキーにあるサーフミュージアムに行ってみました。 今年のリップカールプロは35周年メモリアル。 ということで、過去の大会の様子を伝える特別展示となっていました。 昔のポスターや、Tシャツは、レトロムード満載で、かなり熱かったです。 伝統ある大会を、今年は、自分の眼で見ることができるんだな〜と感じ、ひとりでふつふつと気分が盛り上がってきました。


昔 の 大 会 の ポ ス タ ー


昔 の 大 会 の お し ゃ れ な T シ ャ ツ


左 : サ ー フ ボ ー ド の 3 フ ィ ン 革 命 を 起 こ し た 記 念 す べ き 板


そ し て 3 フ ィ ン 革 命 を 起 こ し た マ ー ク ・ リ チ ャ ー ズ さ ん

気分が盛り上がってきたところで、夕方もJanJucで、サーフィン。 かなり寒い!む〜。 一人動きが明らかに異なるサーファーがいて、大会に参加する44人の1人、ボビー・マルチネスでした。 周りに入っていたオージーも唖然。一人だけ切れ味鋭い超高速な動きです。 同じ波に乗ってるはずなのに、なんであんなに速いのか?不思議。

4月6日パーコの助手席

女子の決勝。19歳のステファニー・ギルモア(Steph Gilmore)がベテラン勢を抑えて優勝。

06年の世界ツアーの1戦目であるゴールド・コーストのクイックシルバー・プロで、ワイルドカードから参加して、優勝しちゃった女の子です。 つまり、アマチュア時代に、プロの大会で優勝しちゃった子です。←ハニカミ王子みたいなもんです。 今年から正式にツアーに参加するようになり、ここで優勝したということは、彼女がホントに実力あるってことでしょう。 実際、サーフィンうまかった。かつ、カワイイので、スター性のある若手選手です。


う れ し い ス テ フ ァ ニ ー ・ ギ ル モ ア

男子はオフ。 女子の決勝が終了し、ベルズビーチとなりの海を見つめていると、突然、パーコ(Parko/Joel Parkinson)登場。 うおおーッ!隣の海で練習していて、上がってきたところのようです。車に乗って、助手席のお友達と話しています。

ゴールド・コースト出身の「癒し系」サーファー。無駄な力が抜けたリラックスしたサーフィン。 顔もいかにもイイ奴という感じです。そこに、しびれる・あこがれるゥ〜かなり好きなサーファーです。 最近彼の出したDVDも購入済。

こんなところでいきなり会えるとは! 勇気を出して、「ハイ!パーコ。一緒に写真とってもいい?」と聞くと、「Sure!」という答え。 なんと、車の助手席に乗せてもらい写真を撮り、パスポートにサインももらいました。これは最高の記念!


パ ー コ ☆ ス マ イ ル

4月7日車中泊

大会はまたもオフ。

トーキーのリップカール本社前で、リップカールチーム(リップカールにスポンサーされているサーファーたち) のサイン大会が開催されました。子供たちにまじって列にならび、ステファニー・ギルモアや、男子優勝候補の一人、 世界最速サーファー〜ミック・ファニング(Mick Fanning)のサインをもらいました。写真も撮った。記念、記念。


ミ ッ ク ・ フ ァ ニ ン グ


リ ッ プ カ ー ル チ ー ム

この日は土曜日で、イースター・ホリデーの初日でした。夜、同じバックパッカーに泊まっていたスペイン人、ノルウェー人、アメリカ人とビールを飲みに行きました。 地元の若者がカラオケ(Karaoke)で盛り上がってました。

夜は、泊まっているバックパッカーのベッドが数ヶ月前からの予約でうまっていたので、僕は、車中泊となりました。 キッチン、シャワー、トイレなどの設備は使ってよいが、寝るのは、車の中ということです。 その分、宿泊料金は安く、15ドル。(普通は27ドル) 僕の車は、フォードのステーションワゴンで、室内が大きいので、後ろに、余裕で寝れます。 持っていた3枚のサーフボードを左側に寄せ、右側にスペースをつくって寝ました。 寝袋、靴下、フリース、毛布と防寒対策が必要。明け方、かなり冷え込みます。 1回寝てみると、なかなか快適なことがわかり、その後は、何度も車の中で寝ました。節約節約。

4月8日リラックス

大会はまたもオフ。 波も無いので、リラックス〜してました。 お弁当つくったり。昼寝したり。

4月9日爆走と夕焼け

大会はまたもオフ。

と思い、サーフィンしようと思い、車でポイントをチェックしていました。 すると、ラジオから、「ベルズビーチに波が無いので、リップカールプロは、とりあえず、今日は、会場が移動になったよ。」 という衝撃レポート。「新しい会場は、ジョバンナ(Johanna)だよ。みんな急げよ〜」とのこと。

「はぁ〜!?」ジョバンナとは、先日、行ったグレートオーシャンロードの中ほどにあるビーチです。 速攻、ガソリンを満タンにし、「またこの道かよ! 」と思いつつ、2度目の爆走!グレートオーシャンロードです。 ロングアンドワインディングロードをくねくね走り、昼過ぎに着きました。

駐車場は、強引に、牧場でした。


牧 場 が 駐 車 場

既に、試合は始まっていました。 砂浜に座って、ひたすら試合を見ていました。波の形はよくないのですが、さすがプロサーファーたちは、ガンガン乗っていました。 プロの中でも、実力のあるプロは、やはり他のプロに比べ、上手いです。動きが速く、大きく、華麗です。 途中、西オーストラリア出身の天才型トリッキーサーファータジ・バロウ(Taj Burrow)と写真を撮る。疲れているところすんません。記念、記念。


天 才 型 ト リ ッ キ ー サ ー フ ァ ー の タ ジ ・ バ ロ ウ

夕方5時ごろ、この日の試合が全て終了。 ピンク色+オレンジ色の夕焼けに染まる海がこの世のものとは思えぬほどきれい。おそろしいほど染まってました。 そのまま、ジョバンナの牧場で、車中泊。お弁当を食べて、生ぬる〜いビールを飲んで、たくさん着込んで、6時ごろ寝ました。 暗くてやることがないのです。


今 日 は 野 宿 ☆


ジ ョ バ ン ナ ビ ー チ の 夕 焼 け

4月10日神様の背筋

大会はジョバンナで継続開催。

ひたすら試合を見る。途中、一度駐車場に戻ってみると、試合の終わったケリー・スレーター(Kelly Slater)が登場。 むおおおーッ!8度の世界チャンピオンに輝くサーフィン界の神様。見ているだけで緊張。 勇気を出して、写真とサインをお願いする。"Yes"と渋く答えるケリー。 ケリー・スレーターに肩を組まれ、自分は彼の背中に手を回し、写真を撮ってもらう。 神様の背筋はトレーニングによってめちゃめちゃ硬かった。すごい記念。


偶 然 通 り か か っ た ケ リ ー ・ ス レ ー タ ー


世 界 大 会 8 冠 神 様 ケ リ ー ・ ス レ ー タ ー

ジョバンナでの開催は、この日で最後、明日からは、またベルズビーチに戻るとのこと。 ということで、試合後、グレートオーシャンロードを戻りました。 前に宿泊したローン(Lorne)の紅葉に包まれたステキなYHAに宿泊。そして、その気になって、この日の夜から、背筋のトレーニングを開始。 そして、昼間、あまりに緊張したからか、深夜、がでました。

4月11日神様のフィン

大会はオフ。

午後、JanJucポイントに、サーフィンに行きました。 サーフボードのフィンは着脱式になっていて、波に合わせて、取り替えたりします。 フィンが船のかじと同じような役目をして、体重を上手くかけることによって、サーフボードの進行方向を変え、ターンできるのです。 この日は、先日購入していた、ケリー・スレーター・モデルのフィン(K3フィン)を試してみました。 なんだか、ターンが鋭くなった気がしました。波の上で体を返すトップターンで、体と板を上手く返せるようになった(気がした) さすが、神様モデル。

4月12日決勝戦で大興奮

大会最終日。ベルズで開催。

最終日だけあって、好カード目白押し。

パーコ VS ブールス・アイアンズ(BruceIrons) (勝者パーコ)
ミック・ファニング VS パーコ (勝者ミック) 
アンディ・アイアンズ(AndyIrons) VS ミック・ファニング (勝者アンディ)

など。

そして、ケリー・スレーターが、準々決勝で負けるというハプニング。


座 禅 で 集 中 す る ミ ッ ク

決勝は、ハワイ出身、3度の世界チャンピオンに輝くアンディ・アイアンズ VS 西オーストラリア出身タジ・バロウ。

オーストラリアに住んでいる自分としては、当然にタジを応援。まわりのオージーたちも当然にタジを応援。 サーフィンが天才的に上手いのに、トリッキーな技(波から飛び出すエアリアル系)に走りすぎ、大会ではなかなか勝てないというのが、これまでのタジ・バロウの印象。 そんなタジに、是非、勝って欲しい。毎年、アンディかケリーがチャンピオンではつまらない。と念じてました。

サーフィンの試合では、1回、1回のライディングをジャッジが見て、10点満点で、スコアをつけます。 決勝戦は、35分。1番よかったスコアと、2番目によかったスコアの合計点で、勝者が決まります。

誰が見ても、アンディが優勢。良い波をつかみまくり、バシバシ技を決めまくって、高スコアをたたき出しています。 タジの選ぶ波は、残念ながら、あまり良くなく、スコアが伸び悩んでました。 タジ・バロウが、逆転するためには、6.9というスコアが必要でした。

残り90秒。誰もが、アンディの勝利を予想していました。 そのとき、沖からその日一番の大きな波が入ってくるのが見えました。 そしてその波に向かってパドルしているサーファーがいる!

タジ・バロウでした。

「ウオオオッ!カモン!タジ!」タジの勝利をあきらめかけてたオージーたちが、いっせいに叫びます。 タジ・バロウのテイク・オフ。「落ちるなっ!」とはらはらしながら見てました。成功!ライディング開始。 明らかにその試合でいちばんでかい波です。トリッキーな技を封印し、スコアの稼げる大きなターンを何度も何度も繰り返すタジ。 沖のずっと奥から、岸に近いインサイドまで、最後まであますところなくその波を乗り切りました。

スコア発表まで、1分の長い沈黙。タジの勝利を確信した観客は、陸に上がってこようとするタジに向かって歓声を上げながら走っていきます。

スコアは、9.0!

劇的な逆転勝利でした。後ほどの優勝インタビューでのタジの言葉。

「最後の波に集中したんだ。そして、正しい時に、正しい場所をキープできた。 あきらかに、その日一番の波がきているのがわかった。みんなが叫んでるのも聞こえた。 心臓バクバクだったよ。あと数秒で、この波が来て決着が着くんだなって思った。 ホントに緊張してたよ。だから、一度、全てを忘れるように努力したんだ。 何人の人が見てるとか、何秒残ってるとかね。とにかく、来た波に集中したのさ〜」

タジ・バロウが優勝してナイスなラストでした。 大体一週間かけて、ほぼ大会全部を見ることができて、この大会の雰囲気がわかりました。 ゆる〜いたのし〜い雰囲気です。プロ対プロの激しい真剣勝負のなのですが、 根底には、いい波で、たのしくサーフィンできればそれでいい。 という空気がながれている気がしました。そんなほのぼのムードが気に入りました。


表 彰 を 待 つ タ ジ ・ バ ロ ウ


ビ ー ル か け で 優 勝 を お 祝 い す る タ ジ ・ バ ロ ウ


ト ー ナ メ ン ト 結 果

大会結果、写真、動画は、RIPCURL PRO / BELLS BEACH 2007 WEB Siteをご参照下さい。

Copyright (C) 2007 サトナカ , All rights reserved.
inserted by FC2 system